行司と言えば、土俵上の団扇裁きが強調されがちであるが、その際、力士を呼び上げたり、勝利力士への勝ち名乗りを上げる。そのほか、中入りや結び・弓取りの触れ、あるいは新序の出世披露・幕内の顔触れ(割り)披露、優勝決定戦の触れ・幕下以下の優勝者へ溜会賞の授与…など、色々な口上がある。
本稿は、土俵祭の「方屋開口」(方屋開き)も含め、それら様々な場面で言上される、口上を集めたものである。
口上と言っても、一字一句決まりがあるわけではない。その多くが先輩行司から後輩へ、と言った口伝であり、時代によって人によって、若干違う場合が多い。
本稿の内容は、『専修大学人文科学研究月報』第207号(平成15・2003年9月、専修大学人文科学研究所刊)所収の「行司の触れごと」・『行司の作法』(同年10月刊、ともに根間弘海氏著)を基本資料とし、実態に応じて修正・補足した。
登場する力士名や番附は、平成19(2007)年5月場所現在のものであるが、必ずしもその取組があったわけではない。
本稿を通じて、TVや本場所等の観戦時に、行司の口上について興味を持っていただけたら、と思う。
◆1 土俵祭(方屋開口) |
◆2 取組進行に応じて(初っ口・力士呼び上げ・勝ち名乗り・新序出世披露・中跳ね・顔触れ・これより三役・結び・弓取り) |
◆3 審判協議を経て(軍配どおり・差し違い・同体取り直し・無勝負・水入り・二番後取り直し・引き分け・預かり・痛み分け) |
◆4 優勝決定戦にて(優勝決定戦・優勝決定巴戦)、幕下以下各段優勝(溜会賞の授与) |
◆5 花相撲・巡業など(決勝五人抜き・雑踏・法要 追善相撲・引退披露・地方世話人・立行司門人) |
制作・著作:紅葉橋律乃介(momijibasi@yahoo.co.jp) | 行司入口へ | 銀河大角力協会総合入口へ |
平成十九年六月二十五日新設